PCoIPは、Teradici社が開発した画面転送用、画像圧縮のテクノロジーの総称です。
簡単に言ってしまえば、RDP等と同じ様な物です。
画面転送プロトコルとしては、RDPが有名ですがその他メジャーな物としてICA、RGS(ZCentral Remote Boost)、Blast Extreme等があります。
PCoIPの特徴は以下の通りです。
セキュリティ
PCoIPは、リモートのPCや仮想デスクトップから画面データーだけを転送します。そのため、重要なデーターがネットワーク上に流れることはありません。
ホスト側では、画面の変化があった部分をエンコードし、圧縮、暗号化した後にクライアントに転送します。
クライアント側は、受け取ったデーターを復号、解凍し今表示している画面に変化のあった部分を合成して画面に表示します。
転送される画面データーは、政府が要求する最高レベルのセキュリティを満たすAES256で暗号化されています。
また、一つのパケットで、画面データー、音声データー、USBのデータを転送するため、一部のプロトコルのように複数のポートを空ける必要もありません。
明瞭なテキスト
ディスプレイのフォントに適用される特殊なアンチエイリアス技術は、単語の認識、読書速度、理解力、さらには精神的疲労の軽減に不可欠であることが研究により明らかにされています。
PCoIPは、文字の視認性を第一としているため、帯域の狭い環境でも文字の視認性は他のプロトコルに比べて非常に高くなっています。
ロスレスで画面転送を行うことによって、ClearTypeやTureTypeなどのアンチエイリアステキストの細部までを正確に送ることによって、非可逆プロトコルによくある文字の滲みなどが発生しません。
色の正確性
一部のプロトコルは、YUV 4:2:0 圧縮などのクロマサブサンプル技術に関連付けられ、画面に配信される画像の色を近似することによって帯域幅を節約しています。このような不正確な色再現は、広告、出版、メディア、エンターテイメントなどの業界では受け入れられず、コンテンツ制作者を非生産的な推測作業にさらし、リモートコンピューティングの採用を阻害しています。一方、手動のロスレスモードで色の正確さを追求するプロトコルは、低いフレームレートと高い帯域幅使用率を犠牲にしています。
その色の正確性を認められ、PCoIPプロトコルはエミー賞のエンジニアリング部門での受賞をしました。
ゆがみのないグラフィックス
PCoIPは、メディア&エンターテインメント、建築、エンジニアリング&コンストラクション、ヘルスケア、製造&デザイン、石油&ガスなどの多くの産業で不可欠な、ビット精度の高い色とコンテンツの詳細を保持した真のロスレスサポートのために最適化されています。
他のプロトコルとは異なり、PCoIPは正確なbuild-to-lossless機能を使用し、4K/UHD解像度でもネットワーク帯域の大量消費なしに最高のフレームレートを実現し、最大4つのモニターをサポートすることが可能です。
動的なネットワークに適応
PCoIPプロトコルは、常に一定の帯域幅を使用するわけではありません。空いている帯域に合わせて、動的に画質、フレームレートを調整しユーザーの求める品質を維持することが出来ます。